- 1 1. はじめに
- 2 2. APIの基礎知識(初心者向け導入)
- 3 3. Java APIの仕組みと構成
- 4 4. JavaでAPIを利用する方法(実装例)
- 5 5. 開発に役立つAPI関連Tips
- 6 6. よくある誤解と注意点
- 7 7. FAQ(よくある質問)
1. はじめに
Javaで開発をしていると、「Java API」という言葉を必ず目にします。たとえば、文字列を扱うString、リストを扱うArrayList、日付を扱うLocalDateなど、日常的に使うクラスの多くは Java API(Javaが標準で提供する機能群) の一部です。
一方で、初心者の方ほど次のような疑問を持ちがちです。
- 「APIって結局なに?ライブラリとどう違うの?」
- 「Java APIとWeb APIは同じ“API”だけど、何が違うの?」
- 「Javadocを見ろと言われるけど、どこをどう読めばいいの?」
この記事では、「java api」という検索キーワードでたどり着いた人が、最短で全体像を掴めるように、APIの基本からJavaにおける意味、代表的なAPI例、使い方、そしてWeb APIとの違いまで順番に整理します。
1.1 この記事でわかること
この記事を読み終えるころには、次のことがスッキリ理解できるはずです。
- APIの基本的な考え方(「機能を呼び出すための窓口」)
- Java APIが指す範囲(標準ライブラリ/クラス/インターフェース)
- よく使うJava APIの具体例(文字列、コレクション、入出力、日時など)
- Javadoc(公式リファレンス)の読み方のコツ
- Java APIとWeb APIが混同されやすい理由と、整理のしかた
1.2 Java APIを理解すると何が得なのか
Java APIを理解する最大のメリットは、**「自分で全部作らなくてよくなる」**ことです。Javaには、よくある処理を安全に・効率よく行うための道具が最初から揃っています。
たとえば次のような場面で、Java APIは強力な助けになります。
- 文字列の結合や検索、置換などを、短いコードで安定して実装できる
- リストやマップなどのデータ構造を、目的に応じて選んで使える
- ファイルの読み書きや日時処理など、ミスしやすい領域を正しく扱える
逆に言えば、APIを知らないと「車輪の再発明(同じものをゼロから作る)」をしやすく、コードも長くなりがちです。学習の序盤からAPIに慣れておくと、以降の学習(フレームワークや業務開発)もスムーズになります。
1.3 この記事で扱う「Java API」とは
「API」という言葉は広い意味で使われますが、この記事で扱う主役は Javaの標準API(Java標準ライブラリ) です。つまり、JDKを入れれば最初から使える、Java公式の機能セットを指します。
なお、後半では混同されやすい Web API(HTTPで外部サービスを呼ぶAPI) との違いも扱います。ここを整理しておくと、「APIって結局どれのこと?」という迷いが一気に減ります。
2. APIの基礎知識(初心者向け導入)
「Java API」を理解する前に、まずは APIという言葉そのもの を押さえておくと混乱しません。
ここを曖昧なまま進むと、あとで「ライブラリ?フレームワーク?Web API?」と頭の中が渋滞します。
2.1 APIとは何か?
APIは Application Programming Interface の略で、ざっくり言うと、
ある機能を、他のプログラムから使えるようにする“窓口(入口)”
のことです。
たとえば、あなたがJavaで次のようなコードを書いたとします。
String s = "Java";
System.out.println(s.length());このとき、length() は「文字列の長さを返す機能」ですが、あなたはその中身を自分で実装していません。
それでも使えるのは、Javaが 「length()という窓口(API)」を用意してくれている からです。
APIは、次のような特徴を持っています。
- 使い方(呼び出し方)が決まっている
- 中身の実装を知らなくても利用できる
- 同じ機能を何度でも再利用できる
つまりAPIは、開発者にとって「便利な道具箱」でもあり、「約束事(ルール)」でもあります。
2.2 APIを使うメリット(なぜ重要なのか)
初心者のうちは「自分で全部書いた方が理解できそう」と思うこともあります。
しかし実務では、APIを活用できるかどうかが、開発スピードと品質に直結します。
2.2.1 開発スピードが上がる
APIを使えば、よくある処理を短いコードで実装できます。
例:リストの並び替え(ソート)
import java.util.*;
List<Integer> list = Arrays.asList(3, 1, 2);
Collections.sort(list);
System.out.println(list);もしAPIがなければ、ソートアルゴリズム(バブルソートなど)を自力で書く必要があり、時間もバグも増えます。
2.2.2 品質が安定する(バグが減る)
Java標準APIは、多くの開発者に使われ続け、改善され続けています。
そのため「自作の処理」よりも、基本的に信頼性が高いです。
特に次のような領域は、APIに頼る価値が大きいです。
- 日付・時間(タイムゾーン、うるう年などが絡む)
- 文字コード・文字列処理
- ファイル入出力
- 暗号化やセキュリティ関連
2.2.3 チーム開発で読みやすくなる
APIを使うコードは、他の人が読んでも意図が伝わりやすいです。
例:文字列を空白で分割する
String[] words = "Java API guide".split(" ");このように「何をしたいか」が一目でわかります。
2.3 APIとライブラリの違い(混乱しやすいポイント)
初心者がつまずきやすいのが、次の区別です。
- API:使い方(呼び出し方)の“約束”
- ライブラリ:便利な機能がまとまった“部品集”
- フレームワーク:アプリの骨組み(流れ)が決まっている“土台”
イメージとしては、
- ライブラリ → 必要なときに呼び出して使う
- フレームワーク → ルールに沿って書くと動く(主導権がフレームワーク側)
という違いがあります。
そして重要なのは、
ライブラリにはAPIがある
という関係です。
ライブラリは「機能の集まり」であり、その機能を使うためにAPI(呼び出し口)が用意されています。
2.4 JavaにおけるAPIの意味(Java APIとは?)
ここまでの話をJavaに当てはめると、Java API は次のように理解できます。
Javaが標準で提供しているクラスやインターフェースを、決められた方法で利用できる仕組み
具体的には、JDKに含まれている以下のようなものが対象です。
String(文字列)Math(数学処理)ArrayList/HashMap(コレクション)LocalDate/LocalDateTime(日時)Files/Path(ファイル操作)HttpClient(HTTP通信)
つまり「Java API」は、Javaで開発する上での標準装備です。
2.5 「Java API」と「Web API」は別物なので注意
検索キーワードが「java api」だと、途中で「Web APIの呼び出し方(HTTP)」の記事も混ざってきます。
しかしこの2つは、同じ“API”でも意味が違います。
- Java API:Javaのプログラム内で使う機能(標準ライブラリなど)
- Web API:インターネット越しに外部サービスを呼び出す仕組み(HTTP)
この記事では、まず Java標準API を中心に理解し、後半で Web APIとの違い を整理します。
3. Java APIの仕組みと構成
ここからは、いよいよ「Java APIとは何か」を Javaの仕組みとして具体的に理解していきます。
Java APIを使いこなすには、まず どんな単位で整理されているのか(構造) を知るのが近道です。
3.1 Java標準APIの基本構造(クラス・インターフェース・パッケージ)
Java APIは、ひとことで言うと 大量のクラスとインターフェースの集合 です。
そして、それらは パッケージ(package) という単位で整理されています。
3.1.1 クラス(class)とは?
クラスは、Javaで最も基本的な「部品」です。
たとえば次のようなものはクラスです。
StringArrayListHashMapFile
クラスには、データ(フィールド) と 処理(メソッド) がまとめられています。
例:Stringクラスのメソッド
length():文字数を返すsubstring():部分文字列を取り出すreplace():置換する
つまり、Stringというクラスが「文字列操作の道具箱」になっています。
3.1.2 インターフェース(interface)とは?
インターフェースは、簡単に言うと
「この機能を持っているはず」という約束(ルール)
です。
たとえば、List はインターフェースで、ArrayList はその実装クラスです。
List:リストとして使える(追加・削除・順番がある)ArrayList:Listの機能を実際に持つ具体的なクラス
この仕組みのおかげで、次のように「実装を差し替えやすい」コードが書けます。
import java.util.*;
List<String> names = new ArrayList<>();
names.add("Alice");
names.add("Bob");
System.out.println(names);ここで重要なのは、変数の型を List にしている点です。
これにより、必要に応じて LinkedList に変えることもできます。
3.1.3 パッケージ(package)とは?
パッケージは、クラスやインターフェースをまとめる「フォルダのようなもの」です。
Java APIは、このパッケージ階層によって整理されています。
たとえば次のような分類があります。
java.lang:基本機能(String, Mathなど)※自動で読み込まれるjava.util:コレクションや便利クラス(List, Map, Arraysなど)java.io:入出力(ファイル、ストリームなど)java.time:日時(LocalDateなど)java.net:ネットワーク(URLなど)java.nio.file:モダンなファイル操作(Path, Filesなど)
3.2 Java APIは「JDKに含まれている標準機能」
Java APIは、基本的に JDKをインストールすれば使える標準機能です。
つまり、追加で何かを入れなくても最初から利用できます。
よく初心者が混乱するのが、次のようなケースです。
- Java API(標準)
→ JDKに入っている。すぐ使える - 外部ライブラリ(追加)
→ Maven/Gradleなどで導入する必要がある
例えば、次のような違いです。
ArrayList(Java標準API)
→ 追加インストール不要Gson(外部ライブラリ)
→ 依存関係の追加が必要
3.3 代表的なJava APIと用途例(初心者が最初に覚えるべき)
「Java API」と言っても膨大すぎて、最初は覚えきれません。
そこで、初心者がまず押さえるべき 代表的なAPIカテゴリ を紹介します。
3.3.1 文字列操作:String
Java開発では、文字列操作が非常に多いです。Stringは基本中の基本なので、最優先で慣れておくとよいです。
String message = "Hello Java API";
System.out.println(message.length()); // 文字数
System.out.println(message.contains("Java")); // 含まれるか
System.out.println(message.toUpperCase()); // 大文字化ポイントとして、Stringは変更できない(イミュータブル)という性質があります。
大量の文字列結合をする場合は、StringBuilder が向いています。
3.3.2 コレクション:List / Map / Set
データをまとめて扱うなら、コレクションが必須です。
List:順番あり、重複OKSet:順番なし(基本)、重複NGMap:キーと値のペア
例:List
import java.util.*;
List<String> items = new ArrayList<>();
items.add("Apple");
items.add("Banana");
System.out.println(items.get(0));例:Map
import java.util.*;
Map<String, Integer> scores = new HashMap<>();
scores.put("Alice", 90);
scores.put("Bob", 80);
System.out.println(scores.get("Alice"));初心者のうちは「配列で全部やる」こともできますが、実務ではコレクションの方が自然です。
3.3.3 日付・時間:java.time
昔のJavaでは日時処理が難しいと言われていましたが、今は java.time が主流です。
import java.time.*;
LocalDate today = LocalDate.now();
System.out.println(today);
LocalDate nextWeek = today.plusDays(7);
System.out.println(nextWeek);日時処理はバグが出やすい領域なので、標準APIを使う価値が高い分野です。
3.3.4 入出力:java.io / java.nio.file
ファイルの読み書きも頻出です。
初心者はまず java.nio.file.Files を覚えると扱いやすいです。
import java.nio.file.*;
import java.io.IOException;
Path path = Paths.get("sample.txt");
try {
Files.writeString(path, "Java API example");
String content = Files.readString(path);
System.out.println(content);
} catch (IOException e) {
e.printStackTrace();
}3.3.5 例外処理:Exception
Java APIを使っていると必ず出てくるのが例外です。
- ファイルが見つからない
- 数値変換に失敗した
- ネットワークが繋がらない
こうした「エラーになりうる状況」を、Javaでは例外として扱います。
try {
int value = Integer.parseInt("123");
System.out.println(value);
} catch (NumberFormatException e) {
System.out.println("数値に変換できませんでした");
}3.4 Java APIを使うときの基本:importの意味
Java APIを使うには、多くの場合 import が必要です。
import java.util.ArrayList;ただし例外があり、java.lang パッケージは自動で読み込まれます。
そのため、String や Math は import不要です。
String s = "Hello"; // import不要(java.lang)
System.out.println(s);4. JavaでAPIを利用する方法(実装例)
このセクションでは、Java APIを「知識として理解する」だけでなく、実際にどう使うのかを手を動かしながら掴めるように整理します。
初心者が最初に覚えるべきポイントはシンプルで、基本は次の3つです。
- 必要なクラスを import する
- クラスを newして生成 する(またはstaticメソッドを使う)
- メソッドを 呼び出す
4.1 基本的な使い方(import → 生成 → 呼び出し)
まずは「APIを使う流れ」を、短い例で確認しましょう。
4.1.1 ArrayList を使う例(コレクションAPI)
ArrayList は、可変長のリストを扱うためのJava標準APIです。
import java.util.ArrayList;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
ArrayList<String> names = new ArrayList<>();
names.add("Alice");
names.add("Bob");
System.out.println(names.size()); // 要素数
System.out.println(names.get(0)); // 0番目を取得
}
}このコードでやっていることは次の通りです。
import java.util.ArrayList;
→ArrayListを使えるようにするnew ArrayList<>();
→ リストを生成するadd()/size()/get()
→ API(メソッド)を呼び出して操作する
つまり、Java APIとは「クラス+メソッドのセット」であり、必要な機能を呼び出して使うものです。
4.2 よくあるAPI利用パターン3選(初心者が覚えると強い)
Java APIは数が多いですが、使い方の型(パターン)は意外と限られています。
ここでは「これを覚えると他にも応用が効く」という3パターンを紹介します。
4.2.1 パターン1:インスタンスメソッドを使う(例:String)
Stringのように「作ったオブジェクトに対してメソッドを呼ぶ」形式です。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
String text = "Java API";
System.out.println(text.toLowerCase()); // 小文字化
System.out.println(text.contains("API")); // 含まれるか
}
}ポイントは「text. のようにドットで呼ぶ」ことです。
4.2.2 パターン2:staticメソッドを使う(例:Math)
Mathのように「インスタンスを作らずに呼び出せる」APIもあります。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
System.out.println(Math.abs(-10)); // 絶対値
System.out.println(Math.max(3, 7)); // 最大値
}
}この場合は new Math() のような生成はしません。
クラス名.メソッド名() で呼び出します。
4.2.3 パターン3:インターフェース型で受ける(例:List)
Javaでは、実務的には ArrayList を直接型にするより、List を使うことが多いです。
import java.util.ArrayList;
import java.util.List;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
List<String> names = new ArrayList<>();
names.add("Alice");
names.add("Bob");
System.out.println(names);
}
}これのメリットは、実装を変更しやすいことです。
// 例えば、必要ならLinkedListに差し替えできる
// List<String> names = new LinkedList<>();初心者のうちは「書き方が増えて難しい」と感じますが、
Javaらしい設計(柔軟性が高い書き方) なので早めに慣れると後が楽です。
4.3 Java APIを使うときの「調べ方」の基本
Java APIを活用する上で、初心者がつまずくのはここです。
- 「何のAPIを使えばいいか分からない」
- 「メソッドが多すぎて探せない」
- 「引数や戻り値が分からない」
このときに役立つのが、次の3つです。
4.3.1 まずは“やりたいこと”から逆引きする
例:やりたいこと → 使うAPIの候補
- 文字列を分割したい →
String.split() - リストを並び替えたい →
Collections.sort()/List.sort() - 現在日時が欲しい →
LocalDateTime.now() - ファイルを読みたい →
Files.readString()
「何をしたいか」が決まると、APIも自然に絞れます。
4.3.2 IDEの補完機能を使う(最短で上達する)
もしあなたが以下のIDEを使っているなら、補完機能が強力です。
- IntelliJ IDEA
- Eclipse
- VS Code(Java拡張あり)
例:names. と入力すると候補が出ます。
add()get()size()isEmpty()
初心者は特に、補完=そのままAPIの一覧だと思って使うと上達が早いです。

4.3.3 Javadoc(公式リファレンス)で仕様を確認する
Java APIの最終的な正解は Javadoc です。
「このメソッドって何を返すの?」「nullは返る?」「例外は?」
こういう疑問は、Javadocを読むと確実に解決します。
Javadocの読み方は次のセクション(5)で詳しく扱います。
4.4 Java APIとWeb APIの違い(混同しやすいので整理)
ここは検索キーワード「java api」で迷いやすいポイントなので、早めに整理しておきます。
4.4.1 Java API(標準API)の例
Javaのプログラム内で使う機能です。
String.length()List.add()Files.readString()LocalDate.now()
特徴:
- Javaの中だけで完結する
- インターネット接続が不要
- JDKに含まれている
4.4.2 Web APIの例(外部サービスをHTTPで呼ぶ)
Web APIは、外部サービスに対してHTTP通信でアクセスする仕組みです。
例:
- 天気情報API
- 翻訳API
- 決済API
- SNS投稿API
特徴:
- インターネット越しにデータをやり取りする
- 認証(APIキー)が必要なことが多い
- レスポンスはJSONなどが多い
4.4.3 JavaでWeb APIを呼ぶときは「Java API」を使う
ややこしいのですが、Web APIを呼び出すときも Java API を使います。
例えばJava 11以降なら、標準の HttpClient を使ってHTTPリクエストができます。
import java.net.URI;
import java.net.http.HttpClient;
import java.net.http.HttpRequest;
import java.net.http.HttpResponse;
public class Main {
public static void main(String[] args) throws Exception {
HttpClient client = HttpClient.newHttpClient();
HttpRequest request = HttpRequest.newBuilder()
.uri(new URI("https://example.com"))
.GET()
.build();
HttpResponse<String> response = client.send(request, HttpResponse.BodyHandlers.ofString());
System.out.println(response.statusCode());
System.out.println(response.body());
}
}この例でいうと、
HttpClientは Java API(標準ライブラリ)- アクセス先
https://example.comは Web API的な“外部の世界”
という関係です。
5. 開発に役立つAPI関連Tips
Java APIは「使える」だけでも十分便利ですが、もう一段レベルを上げるなら 調べ方・読み方・選び方 を身につけるのが効果的です。
このセクションでは、初心者がつまずきやすいポイントを中心に、実務でも役立つコツをまとめます。
5.1 Java APIドキュメント(Javadoc)の読み方
Java APIを正しく使うための最強の情報源は Javadoc(公式API仕様書) です。
「結局どれが正しいの?」となったら、最後はここに戻ってくるのが鉄板です。
ただし初心者にとっては、Javadocは情報量が多く、最初は読みづらいのも事実です。
そこで「見るべき場所」を絞って読み方を整理します。
5.1.1 まず最初に見るべき3点
Javadocを見るときは、最初に次の3つを確認するだけでもかなり理解が進みます。
- そのクラスが何をするものか(概要)
- よく使うメソッドの一覧(Method Summary)
- 引数・戻り値・例外(Parameters / Returns / Throws)
特に、初心者が見落としやすいのが Throws(例外) です。
5.1.2 例:String.substring() を読むときの考え方
例えば substring() を使うとき、初心者はこう思いがちです。
- 「指定した位置から文字列を切り出せるんだな」
これは合っていますが、重要なのは次のような細部です。
- 開始位置は 0から数える
- 終了位置は 含まれない(半開区間)
- 範囲外なら例外が出る
つまり、APIの仕様を正確に理解していないと、意外とバグの原因になります。
5.1.3 例外(Throws)が書かれているAPIは要注意
例外が書かれているAPIは「失敗する可能性がある」という意味です。
初心者は「動かなかった…」となりがちなので、例外の条件を押さえると安全です。
例:Integer.parseInt() は変換に失敗すると例外が出ます。
public class Main {
public static void main(String[] args) {
try {
int value = Integer.parseInt("12a");
System.out.println(value);
} catch (NumberFormatException e) {
System.out.println("数値に変換できませんでした");
}
}
}このように「APIの仕様を知る=失敗パターンも知る」ことです。
5.2 効果的なAPI活用のコツ
ここからは、Java APIを「ただ使う」から「うまく使う」へ進むためのコツです。
5.2.1 まずは標準APIを優先する(最も安全で強い)
初心者ほど、何かをしたいときにすぐ外部ライブラリを探しがちです。
しかし、Javaには標準APIだけでも十分強力なものが多いです。
例:JSON処理は標準APIでは弱いですが、それ以外はかなり揃っています。
- 文字列:
String,StringBuilder - コレクション:
List,Map,Set - 日時:
java.time - ファイル操作:
java.nio.file.Files - HTTP:
java.net.http.HttpClient
標準APIを使うメリットは大きいです。
- 追加導入が不要(環境依存が減る)
- 情報が多い(学習しやすい)
- 長期的に安定している(互換性が強い)
5.2.2 APIの「戻り値の型」を意識すると理解が速い
Java APIが難しく感じる原因の1つは、「何が返ってくるのか分からない」ことです。
ここで効くのが 戻り値の型を見る癖 です。
例:Listのadd()は何を返す?
List<String> list = new ArrayList<>();
boolean result = list.add("Java");
System.out.println(result);このように「戻り値を受け取ってみる」だけで、APIの理解が深まります。
5.2.3 メソッドチェーンは便利だが、読みやすさを優先する
Java APIでは、次のような「つなげて書く」コードを見かけます。
String result = " Java API "
.trim()
.toUpperCase()
.replace(" ", "-");
System.out.println(result);これは便利ですが、初心者のうちは無理に詰め込まない方が安全です。
読みやすくするなら、途中で変数に分けるのも立派な書き方です。
String s = " Java API ";
s = s.trim();
s = s.toUpperCase();
s = s.replace(" ", "-");
System.out.println(s);「正しく動く」+「読みやすい」 が最優先です。
5.2.4 “何でもできるクラス”を避けて、役割で選ぶ
初心者は「とりあえず全部ここに書く」になりがちです。
しかしJava APIは、役割ごとにクラスが分かれています。
例:日時なら
LocalDate:日付だけ(年月日)LocalTime:時刻だけ(時分秒)LocalDateTime:日付+時刻ZonedDateTime:タイムゾーン付き
「日付だけでいいのにLocalDateTimeを使う」などは、地味にバグの元になります。
5.2.5 バージョン差分を意識する(Java 8 / 11 / 17など)
Java APIは進化しており、バージョンによって便利なAPIが増えています。
例:
- Java 8:
java.time、Stream APIの普及 - Java 11:
HttpClientが標準化、Files.readString()など追加 - Java 17:長期サポート(LTS)で採用が多い
チームや案件によって使えるAPIが違うため、
- 「その書き方、うちのJavaだと使えない」
が起きることもあります。
仕事で困らないためには、自分の開発環境のJavaバージョンを把握しておくのが重要です。
6. よくある誤解と注意点
Java APIは非常に便利ですが、使い方を間違えると「動くけど危ないコード」になったり、将来の保守が苦しくなったりします。
ここでは初心者がやりがちな 誤解・落とし穴 をまとめます。
6.1 APIの誤用による問題例
「APIを使う=正しい」ではありません。
正しく選び、正しく扱ってこそ価値が出ます。
6.1.1 例外を軽視してしまう(try-catchの放置)
初心者にありがちなのが、例外が出ると「とりあえず握りつぶす」ことです。
try {
// 何か処理
} catch (Exception e) {
// 何もしない
}この書き方は、エラーが起きても気づけなくなるため危険です。
最低でもログを出す、原因を把握できる形にするのが基本です。
try {
// 何か処理
} catch (Exception e) {
e.printStackTrace();
}実務ではログ出力ライブラリを使うことも多いですが、初心者のうちはまず「例外を無視しない」が大切です。
6.1.2 null を想定せずに落ちる(NullPointerException)
Java APIを使っていると、null が絡む場面は意外と多いです。
例えば、Mapからキーを取り出したとき、存在しないと null が返ることがあります。
import java.util.*;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Map<String, String> map = new HashMap<>();
map.put("lang", "Java");
String value = map.get("missing"); // null
System.out.println(value.length()); // NullPointerExceptionの可能性
}
}対策としては、まずは次のようにチェックするだけでも安全になります。
String value = map.get("missing");
if (value != null) {
System.out.println(value.length());
} else {
System.out.println("値が存在しません");
}6.1.3 Stringの連結をループで繰り返して遅くなる
Stringは変更できない(イミュータブル)ため、ループで結合すると非効率になりやすいです。
String result = "";
for (int i = 0; i < 10000; i++) {
result += i; // 非効率になりやすい
}大量に連結するなら、StringBuilderを使うのが基本です。
StringBuilder sb = new StringBuilder();
for (int i = 0; i < 10000; i++) {
sb.append(i);
}
String result = sb.toString();初心者のうちは「動けばOK」になりがちですが、こういうところが後で効いてきます。
6.2 「標準APIなら何でも安全」という誤解
Java標準APIは信頼性が高いですが、万能ではありません。
例えば、使い方によっては性能が悪くなったり、設計が崩れたりします。
6.2.1 ArrayListとLinkedListを適当に選ぶ
初心者は「どっちでも同じリストでしょ?」となりがちですが、向き不向きがあります。
ArrayList:参照(get)が速い。追加は末尾が得意LinkedList:先頭・途中の追加削除に向く(ただし扱いが難しい)
迷ったら基本は ArrayList が無難です。
変にこだわらず、必要になったら見直すのが現実的です。
6.3 APIへの過剰依存(ブラックボックス化)
APIを使いこなすほど、逆に「中身が分からないけど動く」状態になりがちです。
これは学習段階では悪くありませんが、次のような問題も出ます。
- エラーが起きたときに原因を追えない
- 仕様を誤解して使ってしまう
- “なんとなく”で書いてしまい、修正できない
対策はシンプルで、
- Javadocで仕様を確認する
- 戻り値・例外・前提条件を見る
- 小さく試す(検証コードを書く)
この3つを習慣化することです。
6.4 Java APIとWeb APIの混同で迷子になる
検索キーワードが「java api」だと、情報が混ざります。
- Java標準APIの説明(StringやListなど)
- Web APIの呼び出し(HTTP通信、JSONなど)
- Spring BootでAPIを作る(REST API)
これらはすべて「API」という単語が含まれるため、混同しやすいです。
初心者が迷わないための整理は次の通りです。
- Java API:Javaが提供する標準機能(ライブラリ)
- Web API:外部サービスとHTTPで通信する仕組み
- REST API:Web APIの設計スタイル(HTTP+URL+JSONなど)
この記事の中心は Java標準API ですが、後半でWeb APIとの違いも扱いました。
6.5 APIの互換性とバージョン問題(地味に重要)
Java APIはバージョンによって追加・変更されます。
そのため、ネットで見つけたコードがそのまま動かないことがあります。
よくある例:
- Java 11の
HttpClientを、Java 8環境で使おうとして動かない - Java 11以降の
Files.readString()が、古い環境にない
対策としては次の2つが現実的です。
- 自分のJavaバージョンを確認する
- 動かないAPIが出たら代替手段を探す
バージョン差分は初心者がハマりやすいので、早めに意識しておくと安心です。
7. FAQ(よくある質問)
最後に、「java api」で検索する人が特に疑問に思いやすいポイントをFAQ形式でまとめます。
7.1 Java APIとWeb APIは何が違いますか?
Java APIは、Javaのプログラム内で使う標準機能です。
一方Web APIは、インターネット越しに外部サービスへアクセスする仕組みです。
- Java API:
String、List、Filesなど - Web API:天気API、翻訳API、決済APIなど
7.2 Java APIをすぐに使えるようになるにはどうすればいいですか?
おすすめは次の順番です。
String(文字列)List/Map(コレクション)java.time(日時)Files(ファイル操作)- Javadocで仕様確認
まずは頻出APIに慣れ、必要に応じて広げるのが効率的です。
7.3 よく使われるJava APIの例を教えてください
初心者が最初に触れることが多い代表例は以下です。
StringMathArrayList,HashMapLocalDate,LocalDateTimeFiles,Path
7.4 APIを自作することはできますか?
できます。
自分で作ったクラスやメソッドも「他のコードから使える窓口」になるため、広い意味ではAPIです。
例えば、次のようにメソッドを用意すれば、それがAPIになります。
public class Calculator {
public int add(int a, int b) {
return a + b;
}
}7.5 APIを使いこなすには何が必要ですか?
一番効くのはこの3つです。
- Javadocを読む習慣
- 小さなサンプルコードで試す癖
- 「戻り値・例外・前提条件」を意識する
これだけで、APIの理解と実装力が一気に上がります。

