Java APIとは?初心者向けに仕組み・使い方・Web APIとの違いをわかりやすく解説

目次

1. はじめに

Javaで開発をしていると、「Java API」という言葉を必ず目にします。たとえば、文字列を扱うString、リストを扱うArrayList、日付を扱うLocalDateなど、日常的に使うクラスの多くは Java API(Javaが標準で提供する機能群) の一部です。

一方で、初心者の方ほど次のような疑問を持ちがちです。

  • 「APIって結局なに?ライブラリとどう違うの?」
  • 「Java APIとWeb APIは同じ“API”だけど、何が違うの?」
  • 「Javadocを見ろと言われるけど、どこをどう読めばいいの?」

この記事では、「java api」という検索キーワードでたどり着いた人が、最短で全体像を掴めるように、APIの基本からJavaにおける意味、代表的なAPI例、使い方、そしてWeb APIとの違いまで順番に整理します。

1.1 この記事でわかること

この記事を読み終えるころには、次のことがスッキリ理解できるはずです。

  • APIの基本的な考え方(「機能を呼び出すための窓口」)
  • Java APIが指す範囲(標準ライブラリ/クラス/インターフェース)
  • よく使うJava APIの具体例(文字列、コレクション、入出力、日時など)
  • Javadoc(公式リファレンス)の読み方のコツ
  • Java APIとWeb APIが混同されやすい理由と、整理のしかた

1.2 Java APIを理解すると何が得なのか

Java APIを理解する最大のメリットは、**「自分で全部作らなくてよくなる」**ことです。Javaには、よくある処理を安全に・効率よく行うための道具が最初から揃っています。

たとえば次のような場面で、Java APIは強力な助けになります。

  • 文字列の結合や検索、置換などを、短いコードで安定して実装できる
  • リストやマップなどのデータ構造を、目的に応じて選んで使える
  • ファイルの読み書きや日時処理など、ミスしやすい領域を正しく扱える

逆に言えば、APIを知らないと「車輪の再発明(同じものをゼロから作る)」をしやすく、コードも長くなりがちです。学習の序盤からAPIに慣れておくと、以降の学習(フレームワークや業務開発)もスムーズになります。

1.3 この記事で扱う「Java API」とは

「API」という言葉は広い意味で使われますが、この記事で扱う主役は Javaの標準API(Java標準ライブラリ) です。つまり、JDKを入れれば最初から使える、Java公式の機能セットを指します。

なお、後半では混同されやすい Web API(HTTPで外部サービスを呼ぶAPI) との違いも扱います。ここを整理しておくと、「APIって結局どれのこと?」という迷いが一気に減ります。

2. APIの基礎知識(初心者向け導入)

「Java API」を理解する前に、まずは APIという言葉そのもの を押さえておくと混乱しません。
ここを曖昧なまま進むと、あとで「ライブラリ?フレームワーク?Web API?」と頭の中が渋滞します。

2.1 APIとは何か?

APIは Application Programming Interface の略で、ざっくり言うと、

ある機能を、他のプログラムから使えるようにする“窓口(入口)”

のことです。

たとえば、あなたがJavaで次のようなコードを書いたとします。

String s = "Java";
System.out.println(s.length());

このとき、length() は「文字列の長さを返す機能」ですが、あなたはその中身を自分で実装していません。
それでも使えるのは、Javaが 「length()という窓口(API)」を用意してくれている からです。

APIは、次のような特徴を持っています。

  • 使い方(呼び出し方)が決まっている
  • 中身の実装を知らなくても利用できる
  • 同じ機能を何度でも再利用できる

つまりAPIは、開発者にとって「便利な道具箱」でもあり、「約束事(ルール)」でもあります。

2.2 APIを使うメリット(なぜ重要なのか)

初心者のうちは「自分で全部書いた方が理解できそう」と思うこともあります。
しかし実務では、APIを活用できるかどうかが、開発スピードと品質に直結します。

2.2.1 開発スピードが上がる

APIを使えば、よくある処理を短いコードで実装できます。

例:リストの並び替え(ソート)

import java.util.*;

List<Integer> list = Arrays.asList(3, 1, 2);
Collections.sort(list);
System.out.println(list);

もしAPIがなければ、ソートアルゴリズム(バブルソートなど)を自力で書く必要があり、時間もバグも増えます。

2.2.2 品質が安定する(バグが減る)

Java標準APIは、多くの開発者に使われ続け、改善され続けています。
そのため「自作の処理」よりも、基本的に信頼性が高いです。

特に次のような領域は、APIに頼る価値が大きいです。

  • 日付・時間(タイムゾーン、うるう年などが絡む)
  • 文字コード・文字列処理
  • ファイル入出力
  • 暗号化やセキュリティ関連

2.2.3 チーム開発で読みやすくなる

APIを使うコードは、他の人が読んでも意図が伝わりやすいです。

例:文字列を空白で分割する

String[] words = "Java API guide".split(" ");

このように「何をしたいか」が一目でわかります。

2.3 APIとライブラリの違い(混乱しやすいポイント)

初心者がつまずきやすいのが、次の区別です。

  • API:使い方(呼び出し方)の“約束”
  • ライブラリ:便利な機能がまとまった“部品集”
  • フレームワーク:アプリの骨組み(流れ)が決まっている“土台”

イメージとしては、

  • ライブラリ → 必要なときに呼び出して使う
  • フレームワーク → ルールに沿って書くと動く(主導権がフレームワーク側)

という違いがあります。

そして重要なのは、

ライブラリにはAPIがある

という関係です。
ライブラリは「機能の集まり」であり、その機能を使うためにAPI(呼び出し口)が用意されています。

2.4 JavaにおけるAPIの意味(Java APIとは?)

ここまでの話をJavaに当てはめると、Java API は次のように理解できます。

Javaが標準で提供しているクラスやインターフェースを、決められた方法で利用できる仕組み

具体的には、JDKに含まれている以下のようなものが対象です。

  • String(文字列)
  • Math(数学処理)
  • ArrayList / HashMap(コレクション)
  • LocalDate / LocalDateTime(日時)
  • Files / Path(ファイル操作)
  • HttpClient(HTTP通信)

つまり「Java API」は、Javaで開発する上での標準装備です。

2.5 「Java API」と「Web API」は別物なので注意

検索キーワードが「java api」だと、途中で「Web APIの呼び出し方(HTTP)」の記事も混ざってきます。
しかしこの2つは、同じ“API”でも意味が違います。

  • Java API:Javaのプログラム内で使う機能(標準ライブラリなど)
  • Web API:インターネット越しに外部サービスを呼び出す仕組み(HTTP)

この記事では、まず Java標準API を中心に理解し、後半で Web APIとの違い を整理します。

3. Java APIの仕組みと構成

ここからは、いよいよ「Java APIとは何か」を Javaの仕組みとして具体的に理解していきます。
Java APIを使いこなすには、まず どんな単位で整理されているのか(構造) を知るのが近道です。

3.1 Java標準APIの基本構造(クラス・インターフェース・パッケージ)

Java APIは、ひとことで言うと 大量のクラスとインターフェースの集合 です。
そして、それらは パッケージ(package) という単位で整理されています。

3.1.1 クラス(class)とは?

クラスは、Javaで最も基本的な「部品」です。
たとえば次のようなものはクラスです。

  • String
  • ArrayList
  • HashMap
  • File

クラスには、データ(フィールド)処理(メソッド) がまとめられています。

例:Stringクラスのメソッド

  • length():文字数を返す
  • substring():部分文字列を取り出す
  • replace():置換する

つまり、Stringというクラスが「文字列操作の道具箱」になっています。

3.1.2 インターフェース(interface)とは?

インターフェースは、簡単に言うと

「この機能を持っているはず」という約束(ルール)

です。

たとえば、List はインターフェースで、ArrayList はその実装クラスです。

  • List:リストとして使える(追加・削除・順番がある)
  • ArrayList:Listの機能を実際に持つ具体的なクラス

この仕組みのおかげで、次のように「実装を差し替えやすい」コードが書けます。

import java.util.*;

List<String> names = new ArrayList<>();
names.add("Alice");
names.add("Bob");
System.out.println(names);

ここで重要なのは、変数の型を List にしている点です。
これにより、必要に応じて LinkedList に変えることもできます。

3.1.3 パッケージ(package)とは?

パッケージは、クラスやインターフェースをまとめる「フォルダのようなもの」です。
Java APIは、このパッケージ階層によって整理されています。

たとえば次のような分類があります。

  • java.lang:基本機能(String, Mathなど)※自動で読み込まれる
  • java.util:コレクションや便利クラス(List, Map, Arraysなど)
  • java.io:入出力(ファイル、ストリームなど)
  • java.time:日時(LocalDateなど)
  • java.net:ネットワーク(URLなど)
  • java.nio.file:モダンなファイル操作(Path, Filesなど)

3.2 Java APIは「JDKに含まれている標準機能」

Java APIは、基本的に JDKをインストールすれば使える標準機能です。
つまり、追加で何かを入れなくても最初から利用できます。

よく初心者が混乱するのが、次のようなケースです。

  • Java API(標準)
    → JDKに入っている。すぐ使える
  • 外部ライブラリ(追加)
    → Maven/Gradleなどで導入する必要がある

例えば、次のような違いです。

  • ArrayList(Java標準API)
    → 追加インストール不要
  • Gson(外部ライブラリ)
    → 依存関係の追加が必要

3.3 代表的なJava APIと用途例(初心者が最初に覚えるべき)

「Java API」と言っても膨大すぎて、最初は覚えきれません。
そこで、初心者がまず押さえるべき 代表的なAPIカテゴリ を紹介します。

3.3.1 文字列操作:String

Java開発では、文字列操作が非常に多いです。
Stringは基本中の基本なので、最優先で慣れておくとよいです。

String message = "Hello Java API";
System.out.println(message.length());         // 文字数
System.out.println(message.contains("Java")); // 含まれるか
System.out.println(message.toUpperCase());    // 大文字化

ポイントとして、Stringは変更できない(イミュータブル)という性質があります。
大量の文字列結合をする場合は、StringBuilder が向いています。

3.3.2 コレクション:List / Map / Set

データをまとめて扱うなら、コレクションが必須です。

  • List:順番あり、重複OK
  • Set:順番なし(基本)、重複NG
  • Map:キーと値のペア

例:List

import java.util.*;

List<String> items = new ArrayList<>();
items.add("Apple");
items.add("Banana");
System.out.println(items.get(0));

例:Map

import java.util.*;

Map<String, Integer> scores = new HashMap<>();
scores.put("Alice", 90);
scores.put("Bob", 80);
System.out.println(scores.get("Alice"));

初心者のうちは「配列で全部やる」こともできますが、実務ではコレクションの方が自然です。

3.3.3 日付・時間:java.time

昔のJavaでは日時処理が難しいと言われていましたが、今は java.time が主流です。

import java.time.*;

LocalDate today = LocalDate.now();
System.out.println(today);

LocalDate nextWeek = today.plusDays(7);
System.out.println(nextWeek);

日時処理はバグが出やすい領域なので、標準APIを使う価値が高い分野です。

3.3.4 入出力:java.io / java.nio.file

ファイルの読み書きも頻出です。
初心者はまず java.nio.file.Files を覚えると扱いやすいです。

import java.nio.file.*;
import java.io.IOException;

Path path = Paths.get("sample.txt");

try {
    Files.writeString(path, "Java API example");
    String content = Files.readString(path);
    System.out.println(content);
} catch (IOException e) {
    e.printStackTrace();
}

3.3.5 例外処理:Exception

Java APIを使っていると必ず出てくるのが例外です。

  • ファイルが見つからない
  • 数値変換に失敗した
  • ネットワークが繋がらない

こうした「エラーになりうる状況」を、Javaでは例外として扱います。

try {
    int value = Integer.parseInt("123");
    System.out.println(value);
} catch (NumberFormatException e) {
    System.out.println("数値に変換できませんでした");
}

3.4 Java APIを使うときの基本:importの意味

Java APIを使うには、多くの場合 import が必要です。

import java.util.ArrayList;

ただし例外があり、java.lang パッケージは自動で読み込まれます。
そのため、StringMath は import不要です。

String s = "Hello";   // import不要(java.lang)
System.out.println(s);

4. JavaでAPIを利用する方法(実装例)

このセクションでは、Java APIを「知識として理解する」だけでなく、実際にどう使うのかを手を動かしながら掴めるように整理します。

初心者が最初に覚えるべきポイントはシンプルで、基本は次の3つです。

  • 必要なクラスを import する
  • クラスを newして生成 する(またはstaticメソッドを使う)
  • メソッドを 呼び出す

4.1 基本的な使い方(import → 生成 → 呼び出し)

まずは「APIを使う流れ」を、短い例で確認しましょう。

4.1.1 ArrayList を使う例(コレクションAPI)

ArrayList は、可変長のリストを扱うためのJava標準APIです。

import java.util.ArrayList;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        ArrayList<String> names = new ArrayList<>();

        names.add("Alice");
        names.add("Bob");

        System.out.println(names.size());  // 要素数
        System.out.println(names.get(0));  // 0番目を取得
    }
}

このコードでやっていることは次の通りです。

  • import java.util.ArrayList;
    ArrayList を使えるようにする
  • new ArrayList<>();
    → リストを生成する
  • add() / size() / get()
    → API(メソッド)を呼び出して操作する

つまり、Java APIとは「クラス+メソッドのセット」であり、必要な機能を呼び出して使うものです。

4.2 よくあるAPI利用パターン3選(初心者が覚えると強い)

Java APIは数が多いですが、使い方の型(パターン)は意外と限られています。
ここでは「これを覚えると他にも応用が効く」という3パターンを紹介します。

4.2.1 パターン1:インスタンスメソッドを使う(例:String)

Stringのように「作ったオブジェクトに対してメソッドを呼ぶ」形式です。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        String text = "Java API";

        System.out.println(text.toLowerCase()); // 小文字化
        System.out.println(text.contains("API")); // 含まれるか
    }
}

ポイントは「text. のようにドットで呼ぶ」ことです。

4.2.2 パターン2:staticメソッドを使う(例:Math)

Mathのように「インスタンスを作らずに呼び出せる」APIもあります。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println(Math.abs(-10));  // 絶対値
        System.out.println(Math.max(3, 7)); // 最大値
    }
}

この場合は new Math() のような生成はしません。
クラス名.メソッド名() で呼び出します。

4.2.3 パターン3:インターフェース型で受ける(例:List)

Javaでは、実務的には ArrayList を直接型にするより、List を使うことが多いです。

import java.util.ArrayList;
import java.util.List;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        List<String> names = new ArrayList<>();

        names.add("Alice");
        names.add("Bob");

        System.out.println(names);
    }
}

これのメリットは、実装を変更しやすいことです。

// 例えば、必要ならLinkedListに差し替えできる
// List<String> names = new LinkedList<>();

初心者のうちは「書き方が増えて難しい」と感じますが、
Javaらしい設計(柔軟性が高い書き方) なので早めに慣れると後が楽です。

4.3 Java APIを使うときの「調べ方」の基本

Java APIを活用する上で、初心者がつまずくのはここです。

  • 「何のAPIを使えばいいか分からない」
  • 「メソッドが多すぎて探せない」
  • 「引数や戻り値が分からない」

このときに役立つのが、次の3つです。

4.3.1 まずは“やりたいこと”から逆引きする

例:やりたいこと → 使うAPIの候補

  • 文字列を分割したい → String.split()
  • リストを並び替えたい → Collections.sort() / List.sort()
  • 現在日時が欲しい → LocalDateTime.now()
  • ファイルを読みたい → Files.readString()

「何をしたいか」が決まると、APIも自然に絞れます。

4.3.2 IDEの補完機能を使う(最短で上達する)

もしあなたが以下のIDEを使っているなら、補完機能が強力です。

  • IntelliJ IDEA
  • Eclipse
  • VS Code(Java拡張あり)

例:names. と入力すると候補が出ます。

  • add()
  • get()
  • size()
  • isEmpty()

初心者は特に、補完=そのままAPIの一覧だと思って使うと上達が早いです。

4.3.3 Javadoc(公式リファレンス)で仕様を確認する

Java APIの最終的な正解は Javadoc です。

「このメソッドって何を返すの?」「nullは返る?」「例外は?」
こういう疑問は、Javadocを読むと確実に解決します。

Javadocの読み方は次のセクション(5)で詳しく扱います。

4.4 Java APIとWeb APIの違い(混同しやすいので整理)

ここは検索キーワード「java api」で迷いやすいポイントなので、早めに整理しておきます。

4.4.1 Java API(標準API)の例

Javaのプログラム内で使う機能です。

  • String.length()
  • List.add()
  • Files.readString()
  • LocalDate.now()

特徴:

  • Javaの中だけで完結する
  • インターネット接続が不要
  • JDKに含まれている

4.4.2 Web APIの例(外部サービスをHTTPで呼ぶ)

Web APIは、外部サービスに対してHTTP通信でアクセスする仕組みです。

例:

  • 天気情報API
  • 翻訳API
  • 決済API
  • SNS投稿API

特徴:

  • インターネット越しにデータをやり取りする
  • 認証(APIキー)が必要なことが多い
  • レスポンスはJSONなどが多い

4.4.3 JavaでWeb APIを呼ぶときは「Java API」を使う

ややこしいのですが、Web APIを呼び出すときも Java API を使います。

例えばJava 11以降なら、標準の HttpClient を使ってHTTPリクエストができます。

import java.net.URI;
import java.net.http.HttpClient;
import java.net.http.HttpRequest;
import java.net.http.HttpResponse;

public class Main {
    public static void main(String[] args) throws Exception {
        HttpClient client = HttpClient.newHttpClient();

        HttpRequest request = HttpRequest.newBuilder()
                .uri(new URI("https://example.com"))
                .GET()
                .build();

        HttpResponse<String> response = client.send(request, HttpResponse.BodyHandlers.ofString());

        System.out.println(response.statusCode());
        System.out.println(response.body());
    }
}

この例でいうと、

  • HttpClientJava API(標準ライブラリ)
  • アクセス先 https://example.comWeb API的な“外部の世界”

という関係です。

5. 開発に役立つAPI関連Tips

Java APIは「使える」だけでも十分便利ですが、もう一段レベルを上げるなら 調べ方・読み方・選び方 を身につけるのが効果的です。
このセクションでは、初心者がつまずきやすいポイントを中心に、実務でも役立つコツをまとめます。

5.1 Java APIドキュメント(Javadoc)の読み方

Java APIを正しく使うための最強の情報源は Javadoc(公式API仕様書) です。
「結局どれが正しいの?」となったら、最後はここに戻ってくるのが鉄板です。

ただし初心者にとっては、Javadocは情報量が多く、最初は読みづらいのも事実です。
そこで「見るべき場所」を絞って読み方を整理します。

5.1.1 まず最初に見るべき3点

Javadocを見るときは、最初に次の3つを確認するだけでもかなり理解が進みます。

  1. そのクラスが何をするものか(概要)
  2. よく使うメソッドの一覧(Method Summary)
  3. 引数・戻り値・例外(Parameters / Returns / Throws)

特に、初心者が見落としやすいのが Throws(例外) です。

5.1.2 例:String.substring() を読むときの考え方

例えば substring() を使うとき、初心者はこう思いがちです。

  • 「指定した位置から文字列を切り出せるんだな」

これは合っていますが、重要なのは次のような細部です。

  • 開始位置は 0から数える
  • 終了位置は 含まれない(半開区間)
  • 範囲外なら例外が出る

つまり、APIの仕様を正確に理解していないと、意外とバグの原因になります。

5.1.3 例外(Throws)が書かれているAPIは要注意

例外が書かれているAPIは「失敗する可能性がある」という意味です。
初心者は「動かなかった…」となりがちなので、例外の条件を押さえると安全です。

例:Integer.parseInt() は変換に失敗すると例外が出ます。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        try {
            int value = Integer.parseInt("12a");
            System.out.println(value);
        } catch (NumberFormatException e) {
            System.out.println("数値に変換できませんでした");
        }
    }
}

このように「APIの仕様を知る=失敗パターンも知る」ことです。

5.2 効果的なAPI活用のコツ

ここからは、Java APIを「ただ使う」から「うまく使う」へ進むためのコツです。

5.2.1 まずは標準APIを優先する(最も安全で強い)

初心者ほど、何かをしたいときにすぐ外部ライブラリを探しがちです。
しかし、Javaには標準APIだけでも十分強力なものが多いです。

例:JSON処理は標準APIでは弱いですが、それ以外はかなり揃っています。

  • 文字列:String, StringBuilder
  • コレクション:List, Map, Set
  • 日時:java.time
  • ファイル操作:java.nio.file.Files
  • HTTP:java.net.http.HttpClient

標準APIを使うメリットは大きいです。

  • 追加導入が不要(環境依存が減る)
  • 情報が多い(学習しやすい)
  • 長期的に安定している(互換性が強い)

5.2.2 APIの「戻り値の型」を意識すると理解が速い

Java APIが難しく感じる原因の1つは、「何が返ってくるのか分からない」ことです。
ここで効くのが 戻り値の型を見る癖 です。

例:Listadd()は何を返す?

List<String> list = new ArrayList<>();
boolean result = list.add("Java");
System.out.println(result);

このように「戻り値を受け取ってみる」だけで、APIの理解が深まります。

5.2.3 メソッドチェーンは便利だが、読みやすさを優先する

Java APIでは、次のような「つなげて書く」コードを見かけます。

String result = "  Java API  "
        .trim()
        .toUpperCase()
        .replace(" ", "-");
System.out.println(result);

これは便利ですが、初心者のうちは無理に詰め込まない方が安全です。
読みやすくするなら、途中で変数に分けるのも立派な書き方です。

String s = "  Java API  ";
s = s.trim();
s = s.toUpperCase();
s = s.replace(" ", "-");
System.out.println(s);

「正しく動く」+「読みやすい」 が最優先です。

5.2.4 “何でもできるクラス”を避けて、役割で選ぶ

初心者は「とりあえず全部ここに書く」になりがちです。
しかしJava APIは、役割ごとにクラスが分かれています。

例:日時なら

  • LocalDate:日付だけ(年月日)
  • LocalTime:時刻だけ(時分秒)
  • LocalDateTime:日付+時刻
  • ZonedDateTime:タイムゾーン付き

「日付だけでいいのにLocalDateTimeを使う」などは、地味にバグの元になります。

5.2.5 バージョン差分を意識する(Java 8 / 11 / 17など)

Java APIは進化しており、バージョンによって便利なAPIが増えています。

例:

  • Java 8:java.time、Stream APIの普及
  • Java 11:HttpClient が標準化、Files.readString() など追加
  • Java 17:長期サポート(LTS)で採用が多い

チームや案件によって使えるAPIが違うため、

  • 「その書き方、うちのJavaだと使えない」

が起きることもあります。

仕事で困らないためには、自分の開発環境のJavaバージョンを把握しておくのが重要です。

6. よくある誤解と注意点

Java APIは非常に便利ですが、使い方を間違えると「動くけど危ないコード」になったり、将来の保守が苦しくなったりします。
ここでは初心者がやりがちな 誤解・落とし穴 をまとめます。

6.1 APIの誤用による問題例

「APIを使う=正しい」ではありません。
正しく選び、正しく扱ってこそ価値が出ます。

6.1.1 例外を軽視してしまう(try-catchの放置)

初心者にありがちなのが、例外が出ると「とりあえず握りつぶす」ことです。

try {
    // 何か処理
} catch (Exception e) {
    // 何もしない
}

この書き方は、エラーが起きても気づけなくなるため危険です。
最低でもログを出す、原因を把握できる形にするのが基本です。

try {
    // 何か処理
} catch (Exception e) {
    e.printStackTrace();
}

実務ではログ出力ライブラリを使うことも多いですが、初心者のうちはまず「例外を無視しない」が大切です。

6.1.2 null を想定せずに落ちる(NullPointerException)

Java APIを使っていると、null が絡む場面は意外と多いです。
例えば、Mapからキーを取り出したとき、存在しないと null が返ることがあります。

import java.util.*;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Map<String, String> map = new HashMap<>();
        map.put("lang", "Java");

        String value = map.get("missing"); // null
        System.out.println(value.length()); // NullPointerExceptionの可能性
    }
}

対策としては、まずは次のようにチェックするだけでも安全になります。

String value = map.get("missing");
if (value != null) {
    System.out.println(value.length());
} else {
    System.out.println("値が存在しません");
}

6.1.3 Stringの連結をループで繰り返して遅くなる

Stringは変更できない(イミュータブル)ため、ループで結合すると非効率になりやすいです。

String result = "";
for (int i = 0; i < 10000; i++) {
    result += i; // 非効率になりやすい
}

大量に連結するなら、StringBuilderを使うのが基本です。

StringBuilder sb = new StringBuilder();
for (int i = 0; i < 10000; i++) {
    sb.append(i);
}
String result = sb.toString();

初心者のうちは「動けばOK」になりがちですが、こういうところが後で効いてきます。

6.2 「標準APIなら何でも安全」という誤解

Java標準APIは信頼性が高いですが、万能ではありません
例えば、使い方によっては性能が悪くなったり、設計が崩れたりします。

6.2.1 ArrayListLinkedListを適当に選ぶ

初心者は「どっちでも同じリストでしょ?」となりがちですが、向き不向きがあります。

  • ArrayList:参照(get)が速い。追加は末尾が得意
  • LinkedList:先頭・途中の追加削除に向く(ただし扱いが難しい)

迷ったら基本は ArrayList が無難です。
変にこだわらず、必要になったら見直すのが現実的です。

6.3 APIへの過剰依存(ブラックボックス化)

APIを使いこなすほど、逆に「中身が分からないけど動く」状態になりがちです。
これは学習段階では悪くありませんが、次のような問題も出ます。

  • エラーが起きたときに原因を追えない
  • 仕様を誤解して使ってしまう
  • “なんとなく”で書いてしまい、修正できない

対策はシンプルで、

  • Javadocで仕様を確認する
  • 戻り値・例外・前提条件を見る
  • 小さく試す(検証コードを書く)

この3つを習慣化することです。

6.4 Java APIとWeb APIの混同で迷子になる

検索キーワードが「java api」だと、情報が混ざります。

  • Java標準APIの説明(StringやListなど)
  • Web APIの呼び出し(HTTP通信、JSONなど)
  • Spring BootでAPIを作る(REST API)

これらはすべて「API」という単語が含まれるため、混同しやすいです。

初心者が迷わないための整理は次の通りです。

  • Java API:Javaが提供する標準機能(ライブラリ)
  • Web API:外部サービスとHTTPで通信する仕組み
  • REST API:Web APIの設計スタイル(HTTP+URL+JSONなど)

この記事の中心は Java標準API ですが、後半でWeb APIとの違いも扱いました。

6.5 APIの互換性とバージョン問題(地味に重要)

Java APIはバージョンによって追加・変更されます。
そのため、ネットで見つけたコードがそのまま動かないことがあります。

よくある例:

  • Java 11のHttpClientを、Java 8環境で使おうとして動かない
  • Java 11以降のFiles.readString()が、古い環境にない

対策としては次の2つが現実的です。

  • 自分のJavaバージョンを確認する
  • 動かないAPIが出たら代替手段を探す

バージョン差分は初心者がハマりやすいので、早めに意識しておくと安心です。

7. FAQ(よくある質問)

最後に、「java api」で検索する人が特に疑問に思いやすいポイントをFAQ形式でまとめます。

7.1 Java APIとWeb APIは何が違いますか?

Java APIは、Javaのプログラム内で使う標準機能です。
一方Web APIは、インターネット越しに外部サービスへアクセスする仕組みです。

  • Java API:StringListFilesなど
  • Web API:天気API、翻訳API、決済APIなど

7.2 Java APIをすぐに使えるようになるにはどうすればいいですか?

おすすめは次の順番です。

  1. String(文字列)
  2. List / Map(コレクション)
  3. java.time(日時)
  4. Files(ファイル操作)
  5. Javadocで仕様確認

まずは頻出APIに慣れ、必要に応じて広げるのが効率的です。

7.3 よく使われるJava APIの例を教えてください

初心者が最初に触れることが多い代表例は以下です。

  • String
  • Math
  • ArrayList, HashMap
  • LocalDate, LocalDateTime
  • Files, Path

7.4 APIを自作することはできますか?

できます。
自分で作ったクラスやメソッドも「他のコードから使える窓口」になるため、広い意味ではAPIです。

例えば、次のようにメソッドを用意すれば、それがAPIになります。

public class Calculator {
    public int add(int a, int b) {
        return a + b;
    }
}

7.5 APIを使いこなすには何が必要ですか?

一番効くのはこの3つです。

  • Javadocを読む習慣
  • 小さなサンプルコードで試す癖
  • 「戻り値・例外・前提条件」を意識する

これだけで、APIの理解と実装力が一気に上がります。